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バカゲー迷言録 | ≫ |
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「シャーロック ホームズ ッテ
オモシロイ ゲーム
ナンダッテ」
全体ひっくるめて、狂暴的なバカゲー度を誇る迷作である。
ゲームをスタートすると、いきなり伯爵令嬢が仮面を付けたマントの男にさらわれるデモが始まる。それはどちらかと言うと江戸川乱歩の世界ではないかと思うのだが。
そしていきなり何の説明も無くロンドンの街なかに立ちすくんでいるホームズ。
たぶん、あてもなく散歩でもしているところだったのだろう。
この手のゲームのお約束として、通行人に話を聞こうとして接触してみると
ビシッ。・・・ダメージを受けてライフが減った。
よくわからないが、ホームズはロンドンの全市民から命を狙われているらしい。
しかし我らがホームズも負けてはいない。このゲームでは、敵を倒すのも民間人から情報を得るのも、全て共通のアクションで表現される。そのアクションとは、「蹴る」。
実に単純明快である。・・・と言うか市民を蹴るな。欲を言わせてもらえば悪人も蹴るな。
シャーロック・ホームズはそんなことしない。
蹴られた相手は後方に吹っ飛んで消滅(悪人・民間人を問わず)し、散り際に一言だけセリフを残す。
それが有益な情報ならばいいのだが、大半は「シンロ ヲ キタニトレ!」だの「ワタシハダレ? ココハドコ?」だのと神経を逆なでするような迷言ばかりである。
そして大通りで通行人を倒すと情報の代わりにお金が手に入るのだが、
それはズバリ強盗では。
ストーリー展開としては、とにかく汽車で別の街に行けばいいらしい。しかし切符が高すぎて買えない。
そもそも、スタート時点で一銭も持っていないホームズにも大いに問題があると思う。
仕方なく近くにあった公園に入ってみる。
一人の男が現われたのでとりあえず蹴ってみようとして近づくと、
その男はホームズが視界に入るやいなや、発砲。
もちろんホームズは生身の人間なので、当たれば即死。
死にたくないので逃げようとするが、公園の中にある段差から落ちても即死。
スリルとサスペンスあふれるデンジャラスな公園。(推定死亡率80%)
何度か死んでやり直しているうちに、偶然ふと攻略法を発見した。
そして見事蹴りで弾丸を弾き返すホームズ。
このあたりから、どうやらこの主人公は私の知っている名探偵とは同姓同名の別人かもしれないと思い始める。
さて、無事に拳銃男を足技で倒すと、
「キミハ イマノヨノナカニ マンゾクカイ?」
なんなんだお前は。
もうこんな街いやだ。
と言うか、このゲームがいやだ。
やはり睡魔と苛立ちとを抑えながらの深夜プレイは心身への負担が大きすぎるのだ。
そこでアニメ版「名探偵ホームズ」の名主題歌「空からこぼれたStory」をCDで聴き、心を落ち着けることにする。
このゲームのBGMは聴かないほうが健康に良い。
こうして一時間ばかりプレイしてみたが、サブタイトルの「伯爵令嬢」など名前も出てこない。
そろそろ最後の理性も失いかけたころ、一人の男に蹴りを入れて出てきたメッセージがこれ。
「シャーロック ホームズ ッテ オモシロイ ゲーム ナンダッテ」
・・・速攻で電源を切って、寝た。
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