≪ |
バカゲー迷言録 |
BACK |
---|
「おーのー」
・・・殺されるのは自分のほうだけどな。
この潔すぎる死にっぷりを演出している原因は、ダメージ後の無敵時間がないという点だ。ライフは三つしかないので、三体以上の敵に同時に攻撃されると、コンティニュー直後だろうとなすすべもなく即死ということになる。
(攻撃を見切って防御や回避を行うことなど不可能である。見切るも何も、このゲームの敵には攻撃時のグラフィックというものが存在しない)
要するにコンバット越前は、主人公のくせに、一山いくらのザコ敵と同程度の性能しか持っていないのだ。確かにライフは三つ(とコンティニュー数回)あるが、マリオ1人の代わりにクリボーが100匹いたところでクッパには勝てまい。
さらにこの越前、元傭兵なんだから「物陰に隠れて敵をやりすごす」とか色々と戦い方はあると思うのだが・・・
なぜかわざわざ、最も狙われやすい街の交差点のど真ん中や建物に囲まれた袋小路などばかりを選んでうろつき回る。よく今まで生きてこれたな、お前。
さらにもう一つ、ライフが減る原因として「間違って民間人を撃ってしまう」というのがある。
別にこのシステムについては、とやかく言うつもりはない。ガンシューティングというゲームのお約束のルールと言ってもいいぐらいだ。
しかしこの民間人、敵モンスターと一緒に仲良く並んで歩いてきたり、民家の屋根の上に突然出現したりするのは、いったいどういう了見だ。
これでは間違って撃たれても仕方がない・・・と言うか、撃たれたくてそこにいるようにしか思えないのだが、撃ってしまうと、
「おーのー」
・・・本当は英語で表記すべきなのだろうが、この気の抜けたボイスはひらがなでしか表現しようがない。
死に際にまで命を賭けてバカにされたような、すごくブルーな気分が味わえる。
そういうわけで民間人の皆様、一言だけ言わせてください。
モンスターと間違われるのがイヤなら、とりあえず異次元空間からテレポートで現われるのはやめようよ。
・・・せめて、人間らしく。
「本当の意味での推理アドベンチャー」
ところが、ついワゴンセールの『ミザーナフォールズ』(PS・発売はあのヒューマンだが開発したのはここ)というソフトに気を惹かれ、何かに操られるようにフラフラと購入してしまう。
突然、全く素性のわからないソフトに3000円を投じる私に、同行者が怪訝そうな視線を投げかけていた。
自分が、すでに手遅れなほどバカゲーに毒されていることを初めて自覚する。
・・・帰宅してゲームをスタートさせてみると、やはり私の嗅覚に狂いはなかった。
とりあえず、順を追って紹介していくことにしよう。
マニュアルにはこうある。
このゲームはフルポリゴンの空間内におけるスムーズな3Dスクロールがベースのアクションアドベンチャーです。
アメリカの田舎町で起きた少女失踪事件。プレイヤーの目的は、その少女に密かな想いを寄せていた青年を操作し、失踪の謎を解明、そして少女を救出することです。一人の少女の失踪をきっかけに、一見平和に見えた田舎町の陰で立ち回っていた大きな存在が浮かび上がり、大事件に巻き込まれていきます。考えてみて下さい。もし自分の住んでいる町で殺人事件が起きたら、町に住む多くの人がそれに関心を寄せ、そこに住む人々の生活に何らかの影響を与えるはずです。プレイヤーの行動がゲームの世界に影響を及ぼすだけでなく、ゲーム側も絶えず変化する。
リアルに再現された一つの町は、プレイヤーに本当の意味での推理アドベンチャーを楽しませます。
それなりに雰囲気があってカッコいいオープニングが終わると、いよいよ本編がスタート。
自室のベッドの上で寝転んでいる主人公の姿。
・・・思わず我が目を疑った。
小学生が工作でつくった紙粘土の人形のように、身体の各部のバランスが微妙かつ絶妙に狂ったポリゴン人形。それがベッドの上でだらしなく寝そべっているのだからたまらない。
ここでお見せできないのが本当に残念だが、初手からものすごいインパクトだ。
もちろん他の登場人物たちもみんな同様で、泥パックを分厚く塗りたくった鼻の短いピノキオみたいな顔面テクスチャはとにかく壮絶。
会話ウインドウに表示される、まともなほうの顔グラフィックとのギャップは、まさに使用前/使用後といった感じで、よりいっそう異様さをひきたてる。
どんなヤバイ薬を使用したらこんな風になるのかは知らないが。
しかし、人物のグラフィックはまだいいほうだ。
問題は建物。ポリゴンが欠けたり消えたりというのはまだ可愛いほうで、
しょっちゅう主人公が影に隠れて見えなくなったり、壁の向こうが透けて見えたり、部屋から出て行ったキャラが、画面端の黒い部分でスタンバイしているのが見えたりといった現象がしょっちゅう起こる。
もちろんバグなわけだが、あまりにもナチュラルで頻繁に発生するため、そのうち気にならなくなってしまう。木を隠すなら森の中。
操作系統も何だか怪しい。
この手のゲームで最も多用するのが、ドアを開けて次の部屋に移動するというアクション。このソフトの場合、これがいちばん手間がかかる。
ドアの前のわずかな「当り判定」の位置に主人公を立たせ、正面からプラスマイナス15度以内ほどの角度で○ボタンを押してようやくドアが開く。
ついでに障害物を自動で避けるような機能はついていないので、急いでいるときほど机や壁に引っかかってなかなかドアを開けられない。
慣れないうちは、ただドアを開けるだけの行為に、「向かってくるゾンビを銃で撃ちぬく」のと同じぐらいのテクニックを要求される。
このドアとの闘いが、“本当の意味での推理アドベンチャー”の多くの部分を占めているようだ。
≪ |
|
■ |
|
≫ |
---|---|---|---|---|
BACK |
EXIT |
NEXT |