あきさんの「韓国スタコラ珍道中（仮題）」

原文：あきさん ／ 脚色：マルキ・ド・夢幻






ある日メールを受け取った。内容はもちろん鉢植えエビアンである。

どうやら、メールの内容や書き方からして女性であるらしい・・・

このことに関しては詳しく日記に書いてあるので参考にして欲しい。







そんな彼女が韓国旅行にいくらしい・・・



という情報を極秘にうけた私は彼女を特別特派員（ 通称レイクエンジェル ）に任命し、

韓国をリポートしてもらった。




これは彼女の血で血を洗う旅の一部始終を赤裸々につづったものである。

いや、そんな危険な内容ではないはずだが・・・








某日



韓国に旅立つ約一週間前に「tomak」の存在を知り、韓国に行く予定がある私も

是非購入したいと思い夢幻さんに無理を言って情報を分けていただく。


ついでにレイクエンジェルなんてものに任命された。いやがらせか？



今回の mission は『tomak』、および『tomak』グッズの購入。

できればＨＰを飾っている『tomakぬいぐるみ』をと夢幻さんに言われたが

それは無理っぽい。


でもそんなことをいうと「レ」の役から「イ」の役に変えられそうだったので秘密にしておいた。











６月某日



tomak はまだ発売されていないようだが、ひょっとしたら発売日と重ならないかと、

微かな希望を胸に韓国に旅立つ。

mission のためには程よい睡眠が必要と、睡眠をとるが

夢にまでエビアンが出てきて飛び起きる。旅立ちから不吉な・・・

まぁ売ってなかったら SEED9 関連の作品を買って来よう。

目指すは『竜山』。

どうやら韓国の電気街らしい。









６月某日

出国前に竜山の名前だけ調べていたので、ガイドさんにちょっと聞いてみる。


「あのぉ・・・竜山に行きたいんですが」


「オゥ！ハィ！ハィハィ！ジャパニーズ アキハバラ ネ」


・・・どうやら日本人観光客の定番のようである。







地下鉄を乗り継いで、いよいよ竜山に到着。

ホームからすでに電気街らしき物が見えるのでそちらに向かう。

ちなみにホームから改札口までかなりの距離があり、円筒状のドームを歩かされるのだが

両側には周辺機器の広告やゲームの看板(2m四方ほど)が掲げられている。

近い内に『生首』の看板が掲げられるの・・・か？



最初は改札口と直結しているビルの中の電気街をうろつく。

駅と直結だけに結構上品な店が並ぶが、周辺機器が主な売り場のようで、

ゲームを売っていても18禁ゲー自体が売っていないのでビルの外に探索の足を延ばす。










それが失敗の始まりだったとは誰も気がつかなかった。いや私しかいないが。








ビルを出ると、ビル内の上品な雰囲気はどこにもない。

いきなり露店が並び、日本アニメの違法コピーVIDEO-CDが青空の下に並ぶ。

露店の兄ちゃんが片言の日本語で「サイシンノ アニメ アルアルヨ！」と声をかけてくる。

無視して tomak を探そうとするが、彼はしつこく「サイシン！サイシンアルネ！」と

私にまとわりついてくる。



最新の割にはマジンガーＺなのが気になるが・・・








っだぃピンチ！！・・・私が大ピンチでどうする？








「サイシン！サイシン！」と叫びながら追走してくる彼を

ようやく引き離したところで、もう少し雰囲気が危ない場所を目指す。

類は友を呼ぶのか、初めての場所なのにちょっとヤバげな場所を見つけた。

地下に潜ると広いフロアに『テッコンＶ』などの怪しげなソフトが山積みである。


後日メールで報告するなり、



で、伝説のロボ「テッコンＶ」ではないかっ！それも欲しかった。

いまは、どんなカタチなんだろう・・・




とのたまう夢幻さん。

私の報告を受けるなりのコトバがコレだ。Tomak はどうでもいいのか？








さて、ここなら SEED9 社の作品が見つけられるかと思って探して回るがやはりない。

まぁ情報って言ってもtomakの開発画面くらいしか資料がないので

探すと言っても無理がある。


そこで、出かける前にガイドさんに頼んで韓国語で

「 SEED9 社の製品を探しているのですが、どこにありますか？」

「 tomak の関連商品を探しています」

とメモに書いて貰っていたので店員に見せて回る。




が、たいていの反応は

「 SEED9 ？知らなぃネ。SPEED の間違いじゃナイノ？」

「 tomak なんてゲームは知らないネ」

との反応しか返ってこない。



後日、このことを伝えると、夢幻さんは涙を流して喜んでいた。

いや、その涙は喜びの涙ではなく、笑いの涙だったのかもしれないが・・・

どちらにせよ、私をバカにしているのか？呪ってやる。








ん〜ひょっとして『SEED9』ってのは販売元じゃないんじゃないかと思い始めたが、

その疑問に答えてくれる人は居ない。(日本語通じないし)



インターネットカフェで情報収集しようと思うが電気街の割には

カフェが見あたらない。(見つけられないだけ？)

本屋でゲーム雑誌を探すかと思っても、韓国では本屋はあまり見ない。




あぁ、三重苦







あきらめて再度メモを見せて回っていると、とある店で

「Oh tomak！」

とようやく反応があった。




が、その後でなんか説明してくれたのだが

韓国語なので理解できない



勢い良くまくしたてられ、必死に抵抗する私を置き去りに彼は熱く語っている。

もう少しで彼の熱意に負けるところであった。

負けていれば、今ごろは日本には戻れなかったであろう。

もちろん、向こうで Tomak 売りとして余生を過ごすところであったろう。








それは避けねば！！




まぁなんとなく無いというか、否定的な感じだったのが幸いだったが。







結局、半日ほど探し回ったが『tomak』およびSEED9関連商品は見つけられず。

もう一日あればネットで情報収集し、翌日に再戦も可能だったのだが、

明日は帰る身。


とうとうエビアンは微笑んでくれなかった。





おぉ！神よ！私では真実の愛はなし得られないのですか？





６月某日


失意のまま帰国の途に着く。

せめてエビアンを味わおうとコンビニで『evian』を購入し一口。


・・・日本と同じやん。






・・・あぁ・・・で、でも・・・こ、これは！！


口いっぱいに広がるエビアン・・・神秘的なのどごし・・・

あぁ！エビアン！そこにいたのね！私よっ！

私はあなたに会うために（ 正確には社員旅行で ）韓国まで来たのよっ！



さぁ！私と一緒に帰りましょうよっ！みんなの待つ日本へ！











・・・なんてコトになれば面白い。と真顔で語る夢幻さんを殴り倒し

この報告を終わりたい。いや、ホントに。

コレ以上私が堕ちないように。







余談１

ちなみにBBSでも書かれていたので補足で書いてみますが、
韓国のゲーセンはかなり暗いイメージがあります。
ファッション街で何点か見たのですが、
暗い店内にスロットマシーンがずら〜っと並んでいて
入るのにためらいを感じ、とうとう一人では入れませんでした。




余談２

某夜、同行者の友人のスチュワーデスと夕食に行く。
「どこに行ってたんですか？」
「えぇ、竜山です」
「あぁ・・・アキハバラ・・・」
露骨にイヤな顔される。


それもこれも、夢幻さんのせいだ。いつか呪ってやる。
でもまたレイクエンジェルに任命されてもイヤなので黙っておこう。




余談３

出国前、空港でSS版「フィギュア付き限定版 同級生２BOX」を
無包装のままうれしそうに抱えているアジアの人を見かける。
・・・どうやら、やるこたぁ一緒らしい。

いつかアジアは一つになれると思った瞬間でもあった。




これで私の韓国旅行はおしまいです。
読んでくれてありがとうございます。









どうだっだであろうか？

一人の女性がどんどん堕ちてゆく様を間近に見た私は驚愕した。


ソレもコレも私の責任っぽいけど、それは秘密だ。

ともかく、彼女をレイクエンジェルに任命して正解だった。

こんなにオモシロイレポートが届くなんて・・・

唯一オシイのはテッコンＶだが、それはしょうがない。




最後に、彼女は一般の方なのでメールなどは受け付けていない。

私のような壊れ人間とは違ってまともな彼女に

ここまでさせてしまい親類縁者の方々に申し訳ない。









おっと、その彼女からメールが来たようだ・・・どれ・・・

















あの・・・ずっと言おうと思ってたんですけど、私、男ですけど？











・・・なにぃぃぃぃぃぃぃ！！！