『チコタン』 を世に送り出した蓬莱泰三氏のもう一つの作品。
「受信ゆんゆん」 で少し前にネットを賑わわせた宗左近氏と同様、この方も合唱曲の世界では有名な方らしく、
関西の学校ではよく課題に使われたりするそうです。
‥‥やめとけ。
『日曜日 〜ひとりぼっちの祈り〜』
作詞:蓬莱泰三
作曲:南 安雄
1.朝
お父ちゃん はよ起きや
ええ天気やで 青空やで
はよ起きなんだら こそばすで
ふとんめくるで 鼻つまむで
はよ はよ はよ起きいな
日曜日やで 休みやで
どっか連れてってえな
なあ なあ なあてお父ちゃん
お母ちゃん お化粧まだか
お弁当持ったで 服着たで
はよせなんだら おいとくで
何にもせんかて きれいやで
はよ はよ はようしてえな
どないしたかて いっしょやで
はよせな 昼になるやんか
なあ なあ なあてお母ちゃん
けど もう お父ちゃんいてへん
お母ちゃんもいてへん
けど やっぱり 日曜日の朝になったら繰り返す
ひとりぼっちの ひとりぼっちの
ぼくのひとりごと
あっという間に いっぺんに
車と一緒に死んでしもた
衝突事故で 崖から落ちて死んでしもた
ひとりぼっち ひとりぼっち
そやから そやから
ぼくは ひとりごと
お父ちゃん はよ起きや
お母ちゃん お化粧まだか
ええ天気やで 青空やで
お弁当持ったで 服着たで・・・
(チコタン同様、ほがらかな日常から急転直下の突き落としっぷりが
すさまじいですが、この作品はここからがさらに違います)
2.街で
走る 走る 走る
車 車 車
日曜の交差点
ぼくのまわり
走る 走る 走る
車 車 車
乗ってるおっちゃん よそのおっちゃん
笑ろてる 笑ろてる 笑ろてる
探してるのやあらへんぞ
退屈やさかい 見てるだけやわい
食べてる 食べてる 食べてる
カレー うな丼 スパゲッティ
デパート8階 大食堂
みつ豆 お子さまランチ クリームパフェ
食べてるおばちゃん よそのおばちゃん
笑ろてる 笑ろてる 笑ろてる
探してるのやあらへんぞ
退屈やさかい 見てるだけやわい
回る 踊る 走る
回転木馬 ゴーカート モノレール
デパートの屋上の広場
回る 踊る 走る
マジックガン ミニロケット
乗ってる子 よその子
笑ろてる 笑ろてる 笑ろてる
前に乗ったわい なんぼでも前に乗ったわい
うらやましいことなんかあらへんわい
退屈やさかい 見てるだけやわい
ほっといてんか!
何でや 何でやねん
おったら いかんのか
見てたら いかんのか
何で 何でいかんのや!
3.かえり道
遊んでる みんなが一緒に遊んでる かえり道
見て見ぬふりして まわり道
そやのに みんなが追ってくる
みんなの声が追ってくる
「人殺しの子」「人殺しの子」「人殺しの子」「人殺しの子」
違うわい 違うわい 違うわい
ぼくのお父ちゃん ええ人やったわい
違うわい 違うわい 違うわい
なんぼなと言え へっちゃらやわい
「人殺しの子」「人殺しの子」「人殺しの子」「人殺しの子」
走りとないのに 走ってしまう
耳おさえ 目をつぶって 走ってしまう
ああ・・・
「人殺しの子」「人殺しの子」「人殺しの子」「人殺しの子」
あほ ばか まぬけ 柿のへた
あほ ばか まぬけ 柿のへた
前にビー玉やったのに
チューインガムもやったのに
マンガの本かてやったのに
薄情もん! 裏切りもん!
「人殺しの子」「人殺しの子」「人殺しの子」「人殺しの子」
走るな 走るな ぼくの足
歩け 歩け ぼくの足
プロレスみたいに 横綱みたいに 歩け 歩け 歩け
走るな 走るな 走るな
止まれ 止まれ 止まれ ぼくの足
走るな 走るな 走るな
止まれ 止まれ 止まれ 止まれ
お父ちゃん なんで
なんでお酒飲んで運転したんや!
(なるほど、1番などまだ序章に過ぎなかったのですね。
車の事故に何か因縁でも持っているんでしょうか、この人。
でも、悲劇を訴えるのと、陰惨な気分を押し売りするのとは少し違うと思うですよ?)
4.てがみ
拝啓 こんにちは
足のおけがはどうですか
ぼくは君とこの車に衝突さした人の子供です
君はきっと怒ってはるやろと思います
ぼくのお父ちゃんのこと
ものすご 怒ってはるやろと思います
お父ちゃんが お酒を飲んで 追い越しなんか せなんだら
君もひとりぼっちにならんで すんだんです
足も怪我せんで すんだんです
かんにん したげてください
ぼくのお父ちゃんを
かんにん したげてください
もし君が一生びっこになって働けんようになったら
ぼくが弁償します
うんと働いて お金をためて
お金もあげます
家もあげます
ごちそうもあげます
きっと誓います
そやから どうか ぼくのお父ちゃんを
かんにんしたげてください
お願いします お願いします お願いします
さようなら
(すみません、もうそろそろ勘弁してください。
お願いします お願いします お願いします)
5.おやすみ
ねんねころいち
お父ちゃん寝たか 星からぼくが見えてるか
お酒飲みなや おとなしいにしいや
天の神さんに怒られるで
ねんねころいち
お母ちゃん寝たか あんまりお父ちゃんいじめなや
けんかしいなや 仲ようしいや
天の神さんに笑われるで
ねんねころいち お父ちゃんおやすみ お母ちゃんおやすみ
仲ようしいや 仲ようしいや
そいで天国へ行かしてもらいや
ねんねころいち おやすみなさい
またあした・・・ またあした・・・
(この詩をただ、ものわらいのタネにするほど私は薄情ではありません。
交通事故の恐ろしさや悲しさだって、よくわかります。
でも、一言だけ言わせてください)
これを小学生に合唱させる意味は?
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