2011/11/08+00:15:57 

勇現会社ブレイブカンパニー
http://bracom.channel.or.jp/



クリアした。

80点を期待して買ったら 67点だったみたいな感じ。最初から 50点を期待してたとしても、67点じゃなんかしょんぼりする。

いやぁ……これほど『俺は好きなんだけど、人には勧められないなぁ……』って微妙な顔になるゲームも久しぶりというか、バンナムの十八番すぎる。

ゲームシステムは、シンプル。
勇者にお仕事させる → 指令をこなす → 結果報告 → 次のお仕事へ……ってのを繰り返しつつ、一定以上お仕事をこなすと、その土地での会社評価が上がって次の土地に行けるようになり、
その間にも、儲けたお金で新しい勇者を雇ったり、新しい武具を制作したり、失敗した勇者をなだめたり、そして世界を巻き込む陰謀に巻き込まれて……という感じ。

この、いわゆる『遊ばなくてもいいゲーム』ってところが勧めにくい。俺好きなんだけどね。
で、勧めにくい理由がもうひとつ、というかいくつか。それがゲームシステム的に、ちょいとむごいことなんだけどね。


モンスター討伐はモンスターの強さがわかりにくい上に、勇者たちの強さまでわかりにくいから、結果としてどのくらいの強さのモンスターまで倒せるのかわからないという、意味不明の惨状っぷり。
ははーん。惨状(むごいこと)と三乗(3回かける)をうまく掛けてるねぇ。よし!企画者、まず正座して石を抱け。

まぁ、それは「魔物の強さがわかってたまるか!」って雰囲気作りだと切り捨てることは可能だけど、それよりもなによりも、問題のある仕事がひとつ。
「街の人のお手伝いしてこい」ってお仕事が、勇者に依頼する時点で仕事内容不明という……。

お前、何でもハイハイできますできます言って無茶な仕事受けてくる営業か!

結局、適切な人材を派遣できずに運勝負で、結果、お手伝い失敗が連続して辞表を出す勇者が続出とか聴いてない。
でもプレイヤーの想像力にはヘッドがダウンするね。
「会社が小さいうちは意味不明の運勝負な仕事でも受けなければいけない、大きくなればそういう仕事は捨て置けるから」
ってね。

おい、聴いてるか企画者。そうか聴いていたか。よし、もうひとつ石を増やしてやろう。


実はこの辞表も問題で、社長である自分が引きとめることができるんだけど、「辞表の理由にあった選択肢が出ない」とかナメてんのか。
結果として引きとめる確率だけを見て判断するという、いや、それ、辞表のメッセージの意味がないじゃないですの……。
せっかく「給料が低いです」だの「自信を無くしました」だのあるんだから、それに沿った引きとめできれば効果があるとかさ。

とりあえずランダムでそれっぽくさせておけばいいやーとか、専門学生でもまだ考えて企画するぞ、コラ。企画者は石が大好きだな、もうひとつ抱け。

一事が万事、ゲーム中のイベントはほとんどランダムが支配していてリセットしてのトライアンドエラーでどうにかなっちゃうのもご愛嬌。
そうやってなんでも大雑把にランダムでやってるから、結婚した勇者の2世同士が結婚するとかオリンポスの神々みたいなことになってんだよ、チクショウめ。
だが、それがいい。この兄妹でも結婚しちゃうっていうのはよくやった。
http://tomak-masakazu.tumblr.com/post/11991174049

山田君、企画者の石をひとつ取り除いて……とでも言うと思ったか!もうひとつ、いや、ふたつ抱け。


しかし、まだ最大にして最低の問題……それが、キャラクターグラフィック。



秘書が棒立ちのイラストしかないとか、いろいろな秘書を使ってないと唐突にイベントが始まって「あれ?おまえ、そんな秘書だったの?」って驚いたりとか、そういうのはどうでもいい。いや、よくないけど。

勇者の顔グラフィックが目と鼻と口をバラバラに描いたのをランダムで合成するという荒業で表現されてて。うむ、俺の勇者、殿堂入りしたら顔が崩れたというか、化けたぞコレ。プログラマーも石を抱け。
個人的には、勇者は同じ顔でもいいから小林さんの絵を使ってほしかったよ……。別に通り名と名前だけが違うってだけでよかったよ、俺的には。
戦闘シーンの SDキャラとか、モンスターグラフィックとかはすごくいいんだけどね……。



そもそもからしてイメージイラストをロマサガでおなじみ耽美なイラストで有名な小林智美さんが描いているのに、エンディングのバックに表示されるだけで、企画者の石を増やせ!ひとつじゃないぞ、みっつだ!

それと、これはもう言いがかりの領域かもしれないけど、エンディング後に一枚絵が表示されるんだけどね。
隠し秘書(ワルキューレとシャオムゥ)が入ってるのと入ってないのを連続で見せられるとか。

おい、プログラマーは石を増やせ。そもそも、全員集合 1枚でいいだろうが。
待てよ、この場合はシーケンスを組んだ企画者か。よし、お前も石を増やせ。


ここまでグダグダ言っておきながらも、楽しんだよ!あぁ、楽しんださ!企画者様、微妙だけど面白いゲームありがとう!Yes!石を抱け!


それはひとえに音楽があると思うんだ。サカモト教授。
って違うよ、YMOじゃないよ、白髪じゃないよ!龍一じゃないよ!GEISHA GIRLSじゃないよ!
http://ja.wikipedia.org/wiki/GEISHA_GIRLS

サカモト教授はこちらの方。
http://p.sk-mt.com/

頭にファミコンを乗せた、一風変わったお方。というか、この人、すごくいいよ!オープニングとかすごくいいよ!……オープニングもサカモト教授だよね?
これだけ言いながらもすっかり遊んだのはサカモト教授の音楽によるところも大きい。ありがとうサカモト教授、ありがとうグランセイザー。
サカモト教授に座布団を!10枚たまったらすてきな賞品の出る座布団を!


やめられないとまらない、でも粗はすごく見えちゃうという意味でも、人にはお勧めできないゲーム。

特に 1章や 2章前半のバランスの悪さは、ここで投げ出した人がみんな低評価だということでもわかる。
企画者はもうひとつ石を抱け。どうした、もう限界か?よしよし、まだまだいける。

でも、そんなもろもろの内容も含めて、『やらなくてもいい見てるだけで想像力で補うゲームないかなー』って人は、ぜひ遊んでもらいたい。そして、俺と一緒に企画者に石を抱かせてほしい。

Amazon Store
http://astore.amazon.co.jp/mugenkoubou-22/detail/B005DVVSN4

アマゾンで低評価なのは、本当にそんな理由ばかり。
そりゃ、序盤あれだけ理不尽な依頼ばかりで苦労させておいて、小林さんのグラフィックもない。

そんな苦行を強いてるようでは、この低評価もうなづける。企画者よ、最期にもうひとつ石を抱け。


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