2011/08/20+03:19:41 

田下先生のコレがきっかけで、自分の中で「プロレスじゃないのが許せない」ってのの考えがまとまってきた。
http://twitter.com/#!/TaoriHiromu/status/103855120604856322

> みなさん、こんばんは。えー、これ読みました。問題提起ということで、
> 1つに絞らず色んな事象が語られているのですが、重要な話がたくさんあります。


田下先生も、むき身の地雷原に裸足で突っ込むとかすごいなと思いつつ、俺の考えがまとまってきたので、いったん放出。

ま、いきなりだが。


素人の仮面をつけてやるのなら、とことんまで隠せ。バレたら去れ。
メディアとしてゴシップや毒舌を売るのなら、対象の業界を愛せ。


これが俺の結論。続きは Webで。ここが Webだ。




ま、ちょっと聞いてくれよ。……プロレスの話になるんだけどさ。


コレは俺の考えなんだが、プロレスってのは『ファン、団体などが一体となって、ブックを楽しむ』って言うものだと思うんですよ。

ブックって言うのはいわゆる台本、お約束の塊。アドリブを入れてもいいけど、台本はキッチリ守るのがプロレスなんだと思うんです。

たとえばさ、プロレスで凶器攻撃しました、と。パンツから栓抜き取り出して流血騒ぎだチクショウみたいな。
でも、それって、ファンもある意味「お約束」だと思ってるわけですよ。吉本新喜劇のようなお約束の上に存在する攻撃なワケですよ。

そこの根底にあるのは、プロレスを発展させてみんなに笑顔を、っていう思いだと思うんですよ。

コレ、矛盾しているようですけどね。聞いてくださいよ。


プロレスの悪役は悪役らしく、悪の限りを尽くすわけですよ。栓抜き取り出すわ、椅子投げるわ、解説殴るわ。そうなんですよ、徹底的に悪役なんですよ。
で、それを思いっきり正義のヒーローがぶん殴って倒すわけですよ。カタルシスなんですよ。悪役の攻撃を受けて受けて受けて受けて、それでもなお立ち上がって最後に倒すんですよ。

その先にあるのが、笑顔なんだと思うんですよ。ヒーローなんですよ、レスラーは。悪役がいてこそ光るんですよヒーローは。
だから、悪役は悪役のお約束を守って流血させるし、ヒーローは流血しても痛いと言わずに不屈の闘志を見せて殴り飛ばすわけですよ。

全部、プロレスをみんなに楽しんでもらおうっていうお約束の上に成り立ってる興行なんですよ。プロレスが興行って言葉使うのはそういうことなんですよ。


ここが素人だと、そうはいかない。素人がプロレスの真似事やってヤバいのは、そのお約束の加減を知らないんですよ。
そりゃバックドロップかまして首の骨折ったり、凶器攻撃で瀕死の重傷負わせたり、そういう「うわべだけを真似て大参事」ってのは往々にしてあるんです。

素人は当たり前だけど守るべきブックなんてないんですよ。だから加減を知らない。
悪役の真似事をして本当に相手を傷つけてしまうんです。だってお約束知らないから。

悪役が一定のルールに従ってることすら知らないんですよ。知ろうともしないんですよ。だから大参事が起きる。


で、何が言いたいかって、あえて名前を出すけど、JINやはちまのことを俺が嫌いなのは、ね。

ブックを守らなくていい素人代表のようなツラしておきながら、プロレスラーとしてスポットライトの下で試合してるって部分なんですよ。


先ほどの理論も逆に言えば、素人だったら何言ってもいいんですよ。言い方悪いけど、相手が生きようが死のうが関係ないんです。ブックという名の台本ないから。
だからこそ、だからこそ、素人のゲームレビューで総スカン食らったところで、それは普通なんですよ。グダグダゴシップ的なこと垂れ流されても普通なんですよ。
素人だからこそ好き勝手言えるんですよ。だって、業界のことなんて何も考えなくていい素人なんだから。

でも、でもね。

そんな素人がスポットライトの中で試合するってのはダメなんですよ。放送に堪えないんですよ。ガチの殺し合いとか見たくないんですよ。業界のことなんて知るか!って態度じゃダメなんですよ。
「俺が言いたいことは言う、ドヤッ」みたいなのは見ていて不快なんですよ。その対象が好きであれば特に。それを潰してくれる正義のヒーローがいない場所では特に。

JINやはちまは、素人を装ってるんです。あいつら。そりゃそうでしょう、だって後ろ盾もなしに情報発信してるって触れ込みなんですから。

あいつらは田下先生みたいに、AllAboutの看板背負ってないんですよ。企業の看板背負ってないんですよ。少なくとも表面上は。
話題になったデス仙人だって、ニンドリでコーナー持ってるからニンドリの看板背負ってるわけですよ。デス仙人はすべての言葉に「ニンドリの」って枕が付いちゃうんです。

でもね、あいつらみたいにそんな素人を装ってる人間が、ゲーム業界のいわば重鎮に会えるか?って。会っていいのか?って。
お前、ウチの会社のトップレベルの人間と居酒屋で偶然会えるかよ。素人が岩田社長や宮本茂クラスの役員社員様に会えるのかよ、偶然。

そこに企業や所属組織の影がチラつくんですよ。
そんな影がチラついて、その上やってる毒舌ゴシップがその「出会っている人々」のいわばライバルに向いてるのが嫌いなんですよ。

お前らやっぱり業界とパイプあって、その上でプロレスやってんだろ?やってんのになんで素人みたいな顔してんの?ってモンですよ。
その上、本当にプロレスのこと考えてるなら、プロレス自体を終わらせることなんてありえないのに、アイツらは平気でソレを口にするんですよ。


素人の仮面かぶってプロレスやってんじゃねーよ、と。
そんなクソみたいない仕合を見たくないし、プロレスが誤解されるだけなんですよ。

マネした素人がケガしてもお前らは知らんふりなんですよ。だって素人の仮面かぶってるんだから。
あのね、責任を取らなくていい素人って仮面かぶってるくせにプロレスやってんじゃねーよ。

責任取らなくていい。これがね。言いっぱなし。誤解をさせても言いっぱなし。これがね。

素人の仮面をかぶるなら、JINの初期みたいに完全に素人であるべきなんです。業界人に出会っちゃダメなんです。あなたたちは素人代表なんですよ、表面上は。
一度プロレスのリングに上がったら、プロレスのルールで戦うべきです。凶器攻撃してもいいけど、なんでもアリじゃないんです。業界を潰していいわけないんです。

いま、あのふたつのサイトは中途半端なんです。プロでもない、素人でもない。
そこがすごく嫌。責任逃れできる立ち位置で好き勝手批判してるくせに業界とパイプがあるのがすごく嫌。しかもそのパイプのライバルに毒舌吐いてるから嫌。ダメ、生理的にダメ。

だから、僕はダメだと言いたい。何度も言いたい。あいつらはダメ。

これが俺があいつらを嫌いな理由です。いや、理由でした。やっとわかった。



で、じゃー、メディアとしてはどうすればいいの?って話に移動したい。
田下先生だって言ってるし。「政治の話をしたいんだ、政党の話をしたくない」って。

いやでも田下先生、アンチ巨人と阪神ファンと巨人ファンの三つ巴戦争中にスタスタ歩いて行って「ぼくは野球の話がしたいんだ!」って言っても誰も聞いてくれないッスよ。
みんな野球が好きなんじゃなくてアンチ巨人と阪神ファンと巨人ファンが好きなんですよ。野球よりもそっちのほうが好きなんで無理ッスよ。


なんの話だっけ。そうそう、野球の話。


いきなりだけど真面目な話、週刊化した雑誌がトップの状態では無理だと思う。
ファミマガを懐かしみながら考えたんだけど、週刊雑誌って結局、1週間なわけですよ。勝負は。

でも、2時間座ってたら一定の感想が出てくる映画と違って、ゲームは数時間、ヘタしたら数十時間遊ばないとダメなわけですよ。
そうなると必然的に底の浅い話ばかりになって、広告が増えて、ゲームと関係ない話題が増えて、ガックリな内容になるわけですよ。

その部分をどうにかしたらメディアとして成長するんじゃないのかなーとかは思ったりもする。
雑誌に関しては素人なんで言いっぱなしドヤって感じなんだけどさ。


でも、そもそも、そのトップメディアもしょっぱい試合しかできてないと思うんですよ。
なんでって、お前、親会社の取締役に SCEの元副社長とかいちゃうんですよ?何をどう考えても、恣意的な方向でしか雑誌作れないでしょ?
うまく隠しておけばいいのに、すっかり知れ渡っちゃってるし。

ファミマガがすごくうまかったのは、任天堂と蜜月で発売前のゲームをプレイしたばかりか、マニュアルまで作ってたことを隠してた点だと思う。少なくとも、子供時代に俺は気づかなかった。
あくまでもネットワークとか草の根 BBSだった時代と、インターネットでなんでも調べられる時代を比べてもアレですけどね。

ファミ通もプロレスするのなら、もっとわかりやすくやったほうがいい。
こっそり 360って文字消すとか、PS3だったら大々的に扱ってみるとか、そういう姑息な手段じゃなくてさ。
そりゃ、ファミコン通信のコン(魂)と信はどこに行きましたか?とか言われるわけですよ。

例えばクロスレビューだってそう。なんでみんな同じ点数なんだよ。誰か言ってたけど、レビュワーの傾向を一緒に書け、と。

ギャルゲー好きなレビュワーがバリバリのアクションゲームに向かって「うーん7点」じゃねぇよ。
そこは「ぼく嫌いなんで5点」って言えよ。でも、アクション好きな人間が「俺は10点文句なし」って言うのな。

そういう点数の上下があってこそのクロスレビューだろうに。そして、レビュワーの良しあしもわかって「あぁ、俺、このレビュワーなら信じられる、買おう」って思えるもんだろう?
そう、この「ぼく5点」「俺10点」っていうのがすごくプロレス。プロのレスラーっぽい。大好き。

そういうのを俺は求めたい。そういうのができるようになったときに、なんかメディアとしては一皮むける気がする。ファミマガを超える気がする。


で、もう一度言うけど、メディアトップのファミ通様がこの状況なんだから、ゴシップメディアとかそういうのは夢のまた夢。先の先。
メディアとして東スポや日刊ゲンダイみたいなのは、もう少しゲームメディアが成熟してからないじゃいと、結局 JINとはちまのデッドコピーが出るだけになると思う。
素人面してるくせに業界人の息がかかったライバルつぶしのゴシップサイトはつぶれてくれていい。


メディアとして毒舌メディアなんてあって結構なんだよ。有吉だってそういうキャラで売ってるんだし。アジア横断したのに。

でも、その毒舌を許容できてブックとして、台本として、お約束として設定できるところがやらなきゃ意味がない。
そういう意味で、ゲーム批評の最初の方はよくできてた。あれこそゴシップメディアだと思う。
ゲーム大好き、大好きだから毒舌も吐く、好きなものは大好きという。ああいう姿勢が大事。プロレスっぽい。

毒舌吐くには、その毒舌吐く対象に対して愛が必要。ダメと言いっぱなしなのは素人だけ。
で、素人の仮面をかぶってるなら、とことん素人でいて欲しい。それが礼儀だと思う。

メディアとしてやっていくのなら、なんでダメなの?どういうところがダメなの?全部ちゃんと説明するべき。吐いた毒舌も悪口じゃなくするべき。
有吉のマネして仇名つけても、素人じゃただの悪口。悪口じゃなくて言われた本人も「っちゃべー、そうかも?」って思って話題にできるようにするべき。な、おしゃクソ。
ゲーム批評が一番最初にやっていたように、直接言いに行くべき。業界のためを思ってるんだったら、それを記事にして直接言って、相手の言葉も載せて、その上で読者が判断するべき。

恣意的なコメントだけ取り出してみんなこう言ってますよドヤじゃねぇ。マジで。



もう一度、結論。


素人の仮面をつけてやるのなら、とことんまで隠せ。バレたら去れ。
メディアとしてゴシップや毒舌を売るのなら、対象の業界を愛せ。


これが俺の結論。



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