2011/01/26+22:53:25 ビン・ラディンを探せ!〜スパーロックがテロ最前線に突撃!〜 http://www.mikoukai.net/003_where_in_the_world.html ボーリングフォーコロンバインの時も思ったけど、俺はこの作品を語るボキャブラリーがない。 ないながらもあえて、あえて羅列してみる。 日本では諦め無気力に死を選ぶ中、世界のとある国では過激なテロに走り天に帰ろうとしている。 たとえば、モロッコの自爆テロ犯は、スラムで生まれ、スラムで育ち、そして自爆した。 政治的にも経済的にも発言力がないから過激派に誘われて強硬な手段を取ろうとする。が、何も変わらなかった。 そんな国々にアメリカ人の彼が立ち、つぶやくのは「Where in the world is Osama Bin Laden?(ビン・ラディンはどこだ?)」 テロリズムを行なう人間はイスラム教徒じゃないと答えるイスラム教徒たちにもてなされながら、中東に向かって歩を進める。 イスラエルではパレスチナ問題を肌に感じ、ハシディズムの人々から追われ、キリスト教の神父が他宗教と共存できると語る。 キリスト教徒に鉄槌を下せと叫ぶサウジアラビアの宗教家。彼は脅しのように言う。「石油がなくなったらどうする」 サウジアラビアの高校で監視つきの中で青年二人にインタビューするところなんてあまりにもピリピリした状況に驚くとともに、 この宗教と政治と教育のスパゲッティプログラムに至っては まったく信じられない。これがサウジの現実なのだろうか。 皆一様に言う。ビンラディンがいなくなっても何も変わらないし、もう彼個人はどうでもいい、彼の思想が問題だ、と。 そして、遂にアフガニスタンに 21人の護衛集団を引き連れて現れるスパーロック。ここがビンラディン最後の目撃地。 アフガンのまったく行われていない戦後処理の現実を目の当たりにしつつ、アメリカ軍とともにパキスタンの国境に向かう。 兵士ですら緊張する最前線で、民間人の彼が何ができるのか。話を聴くだけだ。しかし、その話すら中断され、脱出を余儀なくされる。 基地に帰った軍幹部は言う。未来を絶望した若者をタリバンが勧誘する、そのために我々は村々に支援を地道に行なう。たとえ、増派が許されなくても。 最後の目的地、パキスタンに足を踏み入れる。 そこでも、また、皆一様に言う。なぜ彼を追う?彼は一人の男だ、と。 ……そんな言葉の前にスパーロックの出した結論は、結局、シンプルだった。 『彼を捕まえても何も変わらない、問題はもっと根本的なところだ』 もう、宗教戦争なんて太古の昔から相手部族を根絶やしにするまで続くんだから、そんな泥沼に自分から足突っ込んだアメリカ様が無敵の軍隊を持っていたところでどうしようもないだろう。 日本人だからわかってるのか知れもしないし、わかった気になっているのかもしれない。 そんなことを考えられる映画だった。 |