1789年 フランス革命

国王と貴族たちが支配する時代が終わった

国王ルイ16世と王妃マリー・アントワネット…

権力の虜は、この世を去る

新フランス政府は貴族たちから特権を奪い

「市民平等」をとなえる

しかし、一部の貴族たちはフランス政府を倒すべく

ヴァンデ地方へ兵を集めていた

それを知ったフランス政府は直ちに国内最高司令官へ命令を下す

 

ナポレオン・ボナパルトよ!

至急、兵を招集しヴァンデ地方へ向かえ!

 

ああそれがあんなことになっちまうだなんて…

 

今回のお品

ナポレオン

機種;ゲームボーイアドバンス

ジャンル;リアルタイムウォーゲーム

発売元;任天堂

発売日;2001年3月21日

 

 

 

 

皆さんこんにちは、俺はCHEM.と申す者です。バカゲーとの付き合いはまだ浅いですが、この催しのことを聞いて居ても立ってもいられなくなって、こんなものを書いている次第であります。

俺が思うに、このごろ天然のバカゲーって少なくなってませんか?どこも狙ってバカをやっている、とでも言いましょうか、製作者の笑わせようという意図が読めちゃうんです。そのメジャーな例としては「パワプロクンポケット」シリーズが挙げられます。「おいらは趣味が一番でやんす」だの「大統領がお菓子をノドに詰めて倒れてしまいましたでぃ〜す」だの、完璧に狙い済ました台詞回しと、それと絶妙のハーモニーを奏でるダークなシナリオがこのシリーズの醍醐味でもあるんですが、さすがに6回もそれをやられるとこっちもいい加減食傷気味です。

じゃあ今回紹介する「ナポレオン」はどうなのかといいますと、こっちはいたって真面目なシミュレーションゲームです。ストーリーも真面目に作っていて、深く感情移入させられることもしばしばです。ただ…ほんの一部分狂ったところがありまして、そこがこのゲームのバカゲーたる所以でもあるのです。

 

 

……能書きはこれくらいにして、ゲームの紹介に移りましょうか。上記の事情によりヴァンデ地方に向かったナポレオンは、反乱軍を軽くひねって倒します。すると敵の兵隊さんは死に際にこう言い放ちました。「お前らには「神の怒り」が落ちる…いずれ…」と。いぶかしむナポレオン、しかし今は真意不明なので放置して進撃。すると…

イギリス陸軍司令官、ウェリントン登場。おいおいおいおい、ウェリントンとの初顔合わせはワーテルローだったはずだろうが!!まあいい、貴様ら気合入れていくぞ、ウオー!

ウオー!

※こうすることで、味方の攻撃スピードが一定時間速くなります。ちなみにボイス付きです。呼応する仲間の数が少ないと、「ニャー」という気の抜けた返事が返ってくるので注意!

(そして…)

よし、ウェリントンを倒したぞ!応援団、こっち来いやぁ!!紙吹雪も持って来ーい!!

(左のほうに倒れてるのがウェリントン)

勝利の舞ぃ〜〜(旗をグルグルグル)

…………最初これ見たとき爆笑しましたわマジで。その他にも、ナポレオンが味方の部隊に重なってBボタンを連打すると味方の体力が回復するとか(電車じゃ恥ずかしくて出来ない)、そのときナポレオンの乗った馬が楽しそうにぴょんぴょん跳ねてるとか、敵がやられると「うわぁっ」と普通の断末魔なのに味方がやられると歩兵だろうが砲台だろうが「キャー」と絹を裂くような悲鳴を上げるとか、戦闘フェイズははっきり言って突っ込みどころ満載です。

ウェリントンに問いただすと、彼はどうやら「タソー」という女に操られていた模様。そのタソーなんですが、意外とあっさり見つかりました。ていうかナポレオン達を待ち受けていたみたいです。

何だそのゲッター1みたいな髪型は

う〜ん、この怪しさ炸裂のVIEW…。悪役としては満点でしょう。タソーはこの後、「さあ、見るがいい!ロゼッタストーンによりよみがえる神の力を!!」とか大見得切って切り札を出してきます。

これがタソーの切り札だ!

どうやら前に敵の兵隊さんが言っていた「神の怒り」っつうのはこのどーもくん(仮)だったらしいですね。どーもくん(仮)を撃破すると、タソーの持っていたロゼッタストーンがぶっ壊れて、慌てたタソーは「完全なロゼッタストーン」を取りにエジプトに行ってしまいます。

……ていうかロゼッタストーンにそんな力があるなんて俺全然知りませんでした(笑)。

タソーを追ってエジプトに向かうナポレオン一行。その行く手を阻むのはなんと…

イギリス海軍提督ネルソン。だーかーら、ネルソンとの初顔合わせはトラファ(以下略)。まあいいや、俺の行く手を阻む下等なエゲレス人どもはクリムゾンで皆殺しだ(それは別のゲーム)。

Ya−ha−!!今日もギンギンDA☆ZE!!

某ヒゲオヤジよろしく無敵スターを取って、その力もあって何とかネルソンを倒すと、やっぱりタソーに操られてました。それにしても、よくもまあ有名人ばっかり洗脳してくれるよなタソー。

そんなこんなでエジプトに着いたナポレオンは、考古学者シャンポリオン(に化けたタソー)とともに「完全なロゼッタストーン」をGETし、正体を現したタソーの繰り出す化け物(notどーもくん(仮))を再度撃破してタソーを倒します。でもってそのとき真っ二つに割れたロゼッタストーンを持ち帰って皇帝になります(別にロゼッタストーンのおかげで皇帝になれたわけじゃないですからね)。

…しかし、本当の戦いはこれからだったのです。…

 

皇帝となったナポレオンの前に、一人の少女が現れてさっさとロゼッタストーンを奪っていきます。

短髪軍装で一人称「ボク」な

ジャンヌ・ダルクさん

ライデイン炸裂の瞬間。

ナポレオン死にかかってます

ついに過去の人まで出て来ちゃいました。ジャンヌ・ダルクです。まあこの頃には俺の頭も慣れちゃってるんで別に驚きもしません。彼女は「なぜボクが魔女と呼ばれていたか思い知らせてやる(←一人称ボクっすか!)」とか言って、近づいてきた奴にライデインを喰らわせてきます。ムカついたのでありったけの大砲で十字砲火を浴びせて倒すと、「バビロンに行くんだ…そこに神サマがいる」と言って消滅しました。彼女を復活させた「神」とは誰なのか?疑問を残したまま一行はバビロンへ進軍します。当然他国の領土ですから、侵略ということになりますが。

 

バビロンに着いたナポレオン達を迎えるのは、白い髭を伸ばした謎の老人…。

いかにも預言者って感じの登場シーン

仙人のマストアイテム、雲に乗ってます

もうどこまで逝っちゃうつもりなんでしょうか、大預言者ノストラダムス様まで出てきました。ていうか開発者の皆さん的にはそれでOKだったんですかね?さすがに呆然としながらも、執拗にワープを繰り返すノストラダムス様を倒すと、ナポレオンは空島に飛ばされてしまいます。決して冗談じゃなくて本当にバビロンの上空に島が浮かんでるんですって信じてくださいお願いします!!

 

空島にて、ナポレオンは神エネル…じゃなくて黄金の鎧をまとったオッサンに出会います。

コレ系の台詞はお約束ですね

スーパーサイヤ人?(絶対違う)

アレキサンダー大王でした(やる気なし)。前のノストラダムス様に比べるとインパクトが10分の1くらいに減ってますが、強さは10倍になってます。何といってもスーパーサイヤ人モードの大王様は触れると即死の上に無敵ときてますからおそろしいもんです。そのパワーをどうやって抑えて攻撃に持ち込むのかというと、マップのそこらで噴き出してる噴水に突っ込ませるのです。たとえが古いんですが、原子炉が熱暴走してもバケツ1杯の水で抑えられるエイトマンみたいですね。こうしてオーラの消えた大王様にありったけの砲弾をぶち込んで倒すと、彼らを復活させた「神」とやらがいよいよ姿を現しました。

なんと倒したはずのタソーでした(…ってバレバレでしたか)。その理由については後述しますが、とにかくタソーは生きながらえていたのです。彼女はロゼッタストーンの力によって地獄の扉を開き、自らも地獄に落ちます。そしてためらいひとつ見せずに自分たちも一緒に地獄に落ちるナポレオン達。「我々の命はすでにフランスに捧げられている、命など惜しくはない」皇帝陛下ご自身がおっしゃるところなんかは感動するんですがなんか違うと思わざるをえません。何がって、その設定自体が。

…そして戦いの舞台は地獄へ…

 

フードに覆面の隠者スタイル。アンリさん、素敵です

魂を司るという謎の男、アンリの導きにより、ナポレオン達は地獄の一番奥にあるタソーの城を目指します。

途中無限にわいてくるどーもくん(仮)だの洗脳された前述の3人(しかも一度に出てくる)だのを倒してついにタソーの城にたどり着くと、タソーの口から衝撃の発言が!

 

時代は、私を利用した…

私は与えられた力を受け入れた

その挙句が「生贄」さ…

 

私は使い捨ての人形ではない!

私を利用した人間どもに復讐してやる!!

 

お前自身過去から有名人引っ張り出して使い捨ててたくせに何言ってんだテメエ、と一瞬殺意の波動に目覚めかけた俺と違って、前述のアンリ氏は超冷静です。この言葉だけでタソーの正体を見破ってしまいました。

彼の言うには…

もともとタソー自身、パリでギロチン首使った「ロウ人形館」なる妖しさ炸裂の店を開いていたのですが、ギロチンにかけられたある女性がタソーに乗り移ってしまったのではないか、とのことです。

そして、上のタソーの言葉…「時代に利用された」「その挙句が生贄」……

 

もう皆さんお解りですね、今そこに居る女にはマリー・アントワネットの霊が憑いてるんDEATH!!……あーもうなんか頭痛くなってきたわ。ついでにBボタンの連打しすぎで俺の親指も。

 

タソーの肉体を借りたマリー・アントワネットは言います。所詮ナポレオンは羊の群れから選ばれた羊の皇帝、狼のように群れを率いることは出来ない、と。そして「私は全ての人間を支配する。群れを乱すものは容赦なく殺す…」と言い放ちます。

ナポレオンはそれを聞いて決意します。この人は権力という名の魔物の犠牲者だ…。「マリー・アントワネット!今こそその魂、我々が浄化してみせる(←意訳;ぶっ殺す!!」

そして最後の聖戦の火蓋が切って落とされた!

アントワネットビーーーーム!!!

……ぱたっ(ナポレオン死亡)

…お前が浄化されてどうするナポレオン。ていうか任天堂さん、俺を笑い死にさせるつもりですか?最後の最後でこんな面白いギャグをかましてくれるなんて、サービス精神旺盛すぎっすよ!!

 

笑いも収まったところで今度は落ち着いてマリー・アントワネットを倒します。倒すと彼女は、「血に染まった羊はやがて狼になる…同じことの繰り返しさ」とまるで未来を見てきたのかような(実際ナポレオンは、皇帝になってから、ロシア遠征とか大陸封鎖令とか、やりたい放題でしたからね)発言をかまして消滅。しかしナポレオン達を道づれにすべく、長く地獄にいて消えかかっている彼らの魂を引きとどめようとします。

ナポレオンは仲間達をまず地上に戻し、自分はマリー・アントワネットの魂と同化して彼女の魂を今度こそ本当に浄化しようとしますが、アンリがそれを引き止めます。

 

もういいんだ、ナポレオン

そこまで君に頼るわけにはいかない…

後は私に任せてくれ…

 

自分の妻の魂を見抜けなかった、この私に…

 

そんな最後までオチ付けなくてもいいのにと思ってしまいますが、アンリの正体はルイじゅ(以下略)。その後流れるエンディングは、感動的ですが全然(バカゲー的に)面白くないので説明省略。

 

 

いかがでしたか?フランスの英雄ナポレオンは、歴史の裏でこんなエキセントリックな戦いをしていたんですね。…ていうか普通本体と同時発売のソフトにこんなイロモン持ってくるか!?ま、同じく同時発売の「スーパーマリオアドバンス」や「くるくるくるりん」をシカトして「ナポレオン」だけ買った俺もどうかと思いますが。

 

こんな画像貼りまくりの長いページをここまで読んでくださった皆さん、本当にありがとうございます。それでは最後の最後に、衝撃の映像をお見せします。こちらです、どうぞ!

お前は孫悟空か?

えーっと、一応ご説明しておきますと、本ソフト「ナポレオン」はモバイルシステムGB対応(うわ超懐かしっ)でして、接続するときのためにいろんな個人情報を設定するんですね。その中に「コメント」がありまして、これは用意された単語を組み合わせて(最大6単語まで)、自由にナポレオンに喋らせることが出来るという優れもの。某ゲーム雑誌ではコレ一個で読者コーナーが出来かけた(応募が少なくて一回で潰れましたが)くらいです。そして上のコメントは、そのとき投稿されたもののひとつ。

 

ふう、やっとレビュー完了だ。全部読んでくださった方、どうもありがとうございました。そして、このレビューの肝たるJPEG画像が読めなかった方、まことに申し訳ありませんでした。まだ変換前のBMP画像を捨てずに持ってますんで見たい方はここまでメールください。

疲れたから俺の気持ちを代弁しといてくれ、ナポレオン。

 

 

「なるほど・ザ・バカゲーの祭典」に戻りますか?