爆笑! 愛の劇場

機種:ファミコン

メーカー:ココナッツジャパン

 

 

 

 

 

まあ、ゲーマーを長く続けている皆さんの中には、間違えて違うゲームを買ってしまった

なんて経験がある人もいるんじゃないかと思いますけども、

今回俺が紹介しますバカゲー「爆笑!愛の劇場」も、人気ボードゲームの、

「爆笑!人生劇場」シリーズと間違えて入手してしまった一品だったりします。

 

 

 

……とこう言うと、「えっ? それって『人生劇場』シリーズじゃないの?」

思う人がいるかもしれませんが、ホントこれ、タイトルだけでなく、

ゲーム内容まで激似ですが、メーカーも違う全くの別物だったりするのです。

 

そう、例えて言うなら、「かないみか」「こおろぎさとみ」

又は「ジョン・カビラ」「川平・慈英」ばりに似ていますが全くの別物です。

 

もう、タイトーはココナッツジャパンを訴えるべきだと思ったぐらいです(俺も間違えたし)。

 

 

 

 

……とそんなわけで、偶然ながら入手してしまったこの「爆笑!愛の劇場」ですが、

それではさっそくゲームの内容を紹介することにいたしましょう。

 

で、これのゲーム内容なんですが、まあ普通の人生ゲーム系のボードゲームでは、

ボードの上をコマが進んでいくというものであるのに対し、

これの場合はカレンダーの上をコマが進むという違いこそありますが、

基本的にはいわゆる普通の人生ゲーム型のシステムであると言えます。

つまり各プレイヤーのコマがマス目を進んでいき、止まったそのマス目によって、

何らかのイベントが起こってパラメーターが上下するといういつものヤツです。

 

そしてこのゲームの場合では、ゲームの舞台が大学生活ということになっており、

プレイヤーは大学生の一人となって勉強やバイトはもちろん、

タイトルに「愛の劇場」とあるとおり、恋愛の要素のあるイベントもいろいろこなしながら、

大学生活を送っていくことになるのです。

 

 

……というわけで、それでは早速ゲームをスタートいたしましょう。

ゲームを始めるとまずは、自分のキャラクターの名前と性別を入力することになるので、

まあとりあえず今回のプレイでは、自分の名前をそのまま使いまして、

「りょうたくん」(男)と命名することにいたしました。

 

そして「さーて、他にキャラメイク作業はあるのかなー」と思いつつ画面を見ていると……、

 

 

……何やら、あまり見慣れない選択画面が出てきました。

まあいいや。それじゃあとにかくどれか選んでみることにするかな。

 

 

するとそこに表示されたのは、二人の顔グラフィック

もしかしてこれがお父さんとお母さんということでしょうか?

 

そしてその後、二人の顔グラフィックが徐々に近づいていきます

そして二人の顔が中央で重なり、するとっ!

 

フュージョン!!

 

……って、いやあの、もしかしてこれが俺!?

この魔獣合成で誕生したこのキャラが!?

このファイアーエムブレムならオノ使ってそうなコイツが俺ですか!?

 

つーかこのゲーム、顔グラフィックが勝手に決められちゃうの?

俺に選ぶ権利は全くないの?

 

つーかそれ以前に、こんな大学生いねえよっ!

 

 

……まあ確かに、現実では両親を選ぶことは出来ませんし、自分の顔も選べません。

まあ確かに、その辺は現実を上手くシミュレートしたと言えなくもないと思います。

 

 

でもヒゲを生やすかどうかは自分で選べると思いますが。

 

 

 

 

……しかしまあ何はともあれ、こうしてマイキャラである「りょうたくん」が誕生いたしました。

そしてこの後は、大学に入るための入学テストに挑戦することになるのです。

 

 

って、小学生の算数ですか、これは。

もうこんなので大学に入れちゃっていいんでしょうか?

こんな楽勝でいいんでしょうか?

 

 

とか思って油断していたら、見事テストに落ちてしまいました

つーかこれ、答えが解っていても入力に結構手間取るんで、難しいんですけど。

 

 

しかしまあ何にせよ、これでいよいよりょうたくんの大学生活がスタートいたしました。

そして大学生活と言えば欠かせないのが、そう、サークル活動と言えましょう。

 

するとりょうたくんがゴルフサークルに入ろうとするイベントが発生いたしました。

なるほど、これでりょうたくんはゴルフサークルで大学生活を満喫することになるのですね。

 

 

ことわられました。

そしてその後もりょうたくんはマリンサークルにも入会を希望するのですが、

何故かそれも断られてしまいます。

 

う〜ん、常識で考えてみれば、サークルの入会なんてそうそう断られるものではないんですがねえ……。

 

「もしかして何かこっちのやり方に問題があるのかなあ?」などと思いつつ、

コンピューターがあやつる他のキャラの動きを見ていると……、

 

 

同じようにことわられていました。

しかも「ふといのでことわられた」とか、かなりヒドイ言われ方までされる始末です。

 

 

 

……って、そう。

 

このあたりでようやく解ったのですが、どうやらこのゲーム、

マイナスイベントの割合が非常に高いのがその特徴だったりするのです。

 

何せ今回みたいな、成功するか失敗するか分からないようなイベントでは、

まずその大半が失敗します

またそれ以外の普通のイベントでは、そのほとんどが、

お金が減ったりパラメーターが下がったりするものだったりするのです。

 

 

しかもその上、仮に「バイト情報誌でアルバイトをゲットする」というような、

プレイヤーにとってよいイベントであったとしましても、

 

 

……と、このように根暗だけど体が丈夫なので」みたいな、

余計な一言で気分を悪くさせるのを忘れない念の入れようです。

 

 

 

 

……さて、それでは話を戻しましょう。

と、まあこんなことがありながらも、その後なんとかりょうたくんは、

サークルに入ることに成功したのです。

 

 

まわしにあこがれてすもうサークルに入ってしまいましたが。

 

しかもこのすもうサークル、「真面目に練習に励む」というイベントが発生するたびに、

好感度が1下がる(すもうだから?)というとんでもないサークルですが、

まあ何とか入れたので良しといたしましょう。

 

 

 

 

さて、こうしてサークルも無事(?)決まりますと、次はやはり大学生活の華とも言える

恋愛関係のイベントであるナンパイベントが出てくるのです。

 

 

………そう、確かに出てはくるのですがー。

 

 

 

 

 

ただひたすら失敗しました。

 

そう、何せこのゲームは、「大学でサークルに入会する」という、

本来ならかなり成功しやすいイベントすら失敗してしまうというゲームなのですから、

もともと失敗する可能性の高いナンパイベントなんか成功するわけがないのですよ。

 

しかもそのことわられる際には「ばかなのがばれて」とか「せがひくくて」とか、

心ないコメントで追い打ちをかけることを決して忘れません。

 

 

 

まあそんなわけで、彼女をゲットするのにはかなり苦労しましたが、

その後なんとか他のプレイヤーからミニゲームで彼女を奪うことに成功し、

そしていよいよクリスマスシーズンを迎えることになりました。

 

そしてりょうたくんも、(奪った)彼女とクリスマスイブにデートへ行くこととなったわけです。

すると画面には、

 

 

という、キスする場所を選ぶ選択画面が登場するのです。

 

おおっ、なんて熱い展開なのでしょうか!

これぞまさにクリスマスイブ! そしてまさに「愛の劇場」!

 

よーし、やるぞー! それじゃあここは、ほっぺにキスだっ!

 

 

りょうたは きすがへただった

 

……まるでドラクエのバトルメッセージみたいに木訥なセリフですが、

心にグサリと刺さる、この一言。

 

どうやらこのゲーム、クリスマスイベントですら安らぎを与えることを知らないみたいです。

 

 

 

 

 

……よ、よーし、こうなったら、そう! お正月イベントに期待ですよ。

 

って、ほら、お正月イベントといったらなんかさあ……、

例えばほら、初詣でおみくじを引くとかちょっとしたミニゲームをやるとか、

そんな楽しげなイベントがあるわけですよねえ? そうなんですよねえ?

 

 

オヤジが破産していました。

 

ってゆーか、これが正月に起こすイベントですか!?

つーか、そういうことは、元旦になる前に連絡すべきなんじゃないでしょうか!

 

 

 

 

……って、くそー。

 

まったくなんで俺ばかりこんなヒドイ目に遭うんだっ!

もしかしてこんな不幸な生活を送っているのは、俺のキャラだけなのか!?

 

 

大丈夫です。他のキャラも十分不幸になっていました。

つーか「くさい!」と本当のことを言われたら、そりゃ寝込みますわ

 

 

 

 

……さて、こんな風にみんながダメイベントを起こしているうちに、

一年間が過ぎていきまして、ゲームは二年目に突入となるわけですが、

これがこんな感じでゲームはこのまま大学4年まで続くのかと思いきや、

2年目の夏になると、突然就職活動イベントが発生しまして、

そしてその後の9月には、大学卒業となってゲームは終わってしまいます。

一体どんな大学なのでしょうか?

 

……で、まあ結局、俺のキャラであるりょうたくんはと言えば、

就職を決めることも出来ず、プータローになることが決定して、

ゲームは終了いたしました。

 

 

と言うか、就職を決めることが出来たのは、コンピューターを入れて4人のプレイヤーのうち、

たった1人だけだったんですけどね……。

 

 

 

 

 

……というわけで、駆け足でこのゲームの流れを紹介いたしましたが、皆さんどうだったでしょうか?

 

中には「こんなヒドイことばかり起こるゲームなんて、ただのクソゲーだろ!」

と思った人がいるかもしれません。

実際ネットでもクソゲーと紹介しているサイトも存在していたりします。

 

 

 

でもですねえ……、俺としてはこれがやってて結構楽しかったりしたんですよね。

まあ何と言うか、確かにヒドイことばかり起こるのはそうなんですが、

これがもうあまりにヒドすぎて逆に笑えるみたいな。

 

しかも自分一人だけがヒドイ目に遭うというのなら腹も立つというものですけど、

これの場合は敵も含めたみんながヒドイ目に遭うわけですからね。

 

そう、例えて言うなら、全員にキングボンビーがついた桃鉄みたいなものでしょうか。

もうこれなら自分が不幸でも笑えるわけですよ。

何せもう、周り中を見渡せば、どこにも不幸があふれているわけですからね。

よく「他人の不幸は蜜の味」と言いますが、これの場合はもう、

全プレイヤーが蜜まみれなわけですからね。

だからもう可笑しくてしょうがないわけですよ。

 

 

 

 

 

……というわけで、こんなダメ大学生活を再び体験したくなり、もう一度だけプレイしてみることにしました。

 

と言っても、同じようにプレイしても面白くないので、

今回は性別を女性にしてキャラを作ってみることにします。

さて、一体どんなキャラが完成するのでしょうか。

 

 

……というわけで、誕生したのがこの「りょうこさん」(女性の名前にしました)。

ってわけですがー、ってイヤこれ、外見はなかなか悪くないんじゃないですか?

 

最初、父親が大橋巨泉に似てたときには、もうどうしようかと思いましたが、

いやいやなかなかどうして、良い感じのメガネっ娘になったじゃないですかー。

……つーか、むしろ萌え?

 

しかも国立の一流大学に入学した上に、パラメーターも前回のりょうたくんとは、

比べものにならないくらい高くなっていたりするのです。

……って、もしかしてこれは結構いけるってこと?

 

 

 

というわけで、比較のためにも他のコンピューターキャラはどんな感じになったのか、

ちょっと見てみることにします。

 

 

 

……って、うっわ、このかなやまさんキツイって!

パラメーターは決して悪くないけど、この顔はどうよ!?

 

さて、それじゃあ他のキャラはと言えば……、

 

 

女性キャラでも容赦のない、このイベント。

やはり他のキャラは順調に不幸になっているようです。

 

 

 

……となれば、やはりこのマイ萌えキャラであるりょうこさんには、

ぜひとも幸せな大学生活を送ってもらいたいというものです。

 

そう、せめて不幸にまみれたこの世界における最後の希望であってもらいたい。

一筋の光明であってもらいたい。

 

……と言うわけで、さあ、りょうこさん。

どうかがんばって、この世界で幸せな日常を送って下さい!

 

 

 

だ、ダメダメだーーーっ!

 

いきなり宗教サークルに入ってしまったりょうこさん。

その後も「りょうこはやめたくてもやめられず、今日も拝んでいた」などという、

サークル活動イベントまで発生する始末です。

 

 

……ああ、りょうこさん。

あなたはやはり、この世界における一番の不幸者なのでしょうか?

 

 

 

 

……しかし、まだ安心です

 

そう何故なら今回のプレイには、あの不幸キャラがいるのですからね。

 

 

僕らのダメアイドルかなやまさんです(って、いきなり警察に捕まってますが)。

 

そう。何せこのかなやまさんといえば、あのツラがまずかったのか

今回のプレイにおいてとにかく不幸の道を歩み続けます

 

何しろお金を浪費するイベントが多発し、あっという間に借金王

しかもよせばいいのに、道に落ちていた100万円をネコババしようとして、

警察にまで捕まってしまう始末です。

 

さて、それではこのかなやまさんを次はどんな不幸イベントが襲うのでしょうか?

 

 

とか思っていたら、なんとーっ!

そう、なんとあのかなやまさんが、整形手術を受けるらしいのです。

もしかしてかなやまさんは、これで一気に幸福への階段を登ってしまうのでしょうか?

 

 

無理でした。

 

つーか、このイベントきつすぎです

もし俺がプレイヤーだったら、本気でショックだったと思います。

 

 

 

ちなみに一方そのころ、僕らのアイドルりょうこさんはと言えば……、

 

 

こんな萌えイベントを行っていました。

つーかこのイベント、

「かなやまさんじゃなくて良かった」と心の底から思いました

 

 

 

 

 

 

……と、まあこんな感じで2回目のプレイも楽しく進んでいったわけですが、

まあ何て言うんでしょうね?

 

俺がこのゲームをプレイして感じたのは、このゲームのテーマと言うのは、

実は「良かった探し」なんじゃないかと思わされてしまいました。

 

そう、なんて言うんでしょう?

ホント今の世の中は、「悪かった探し」であふれているじゃないですか。

 

そうです…。「ほとんどの人が飢えに苦しむことなく生活できる」という、

昔の人から見たら神の国と思うような恵まれた現代日本に暮らしていながら、

日々人々が言うことと言えば、「今の日本はダメだ」とか、

「○○さんのあんなところはダメだよなあ」とか、「最近のゲームはつまらないなあ」とか、

口から出てくるのはそんな不平不満ばかりじゃないですか。

今の日本はそんな「悪かった探し」であふれているわけじゃないですか。

 

 

でもですねえ……、このゲームに登場するキャラたちを見れば、

そんな「悪かった探し」なんて絶対やる気にならないわけですよ。

 

そう、何故ならホント悪いところばかりですからね。

 

何しろこのゲームに登場する大学生はと言えば、

勉強はダメ、恋愛もダメ、おまけに就職なんて決まりもしない。

 

とにかくもうホントにそんなダメダメづくしのキャラなんですが、だからこそ、いつの間にやら、

そんなこのゲームのキャラたちの「良かった探し」をしている自分に気づくんですよね。

 

 

例えば最初にプレイした時のマイキャラであるりょうたくん。

確かに彼は、キスも下手なら就職も出来ないというダメ野郎ですが、

何せ彼は、他の人がろくにバイトすら出来ず借金をする人すらいたのに、

彼はきちんとゲーマーのバイトで結構の収入を得ていましたからね。

そこは評価できると思ったわけですよ。

 

そして2回目のりょうこさんと言えば、何と言っても宗教サークルに入ってしまった

という不幸こそありますが、しかしながら外見は結構萌えられたし、当然ながら、

あのかなやまさんの不幸ぶりに比べれば全然大したこと無かったわけですからね。

そう考えれば、二人とも良い面を十分に持ったキャラだと思えたわけですよ。

 

 

でー、そんなかなやまさんの良かったところと言えば……、

ゴメン、何も見つからないや(でも努力はしてみた)。

 

 

 

 

そう……。

このゲームをプレイすると、プレイ中は全員のダメぶりにゲラゲラ笑い、

そしてプレイ後はそんなダメ生活を送ったキャラたちに愛着を持ってしまい、

つい良かったところを探してしまう

そんな良かった探し体験ゲームなのではないかと思わされてしまいました。

 

 

……って、まあもちろん世間一般の評価はそうではないんですが、

でも俺にはこれが、そんな愛すべきバカゲーに思えましたね。

 

 

 

 

と言うわけで皆さんも、こんなダメダメ大学生生活を体験してみたいのなら、

ぜひプレイしてみることをお薦めいたします。

 

まあ当然ながら、マイキャラがどんなに不幸な目にあっても笑える人限定ですけどね。

 

 

 

 

 

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